中途採用では、企業は志望理由よりも転職理由を重要視していると言われています。
なぜ企業は転職理由を重要視するのか、どのように対策をすれば内定につながるのか詳しく説明していきます。
志望理由と転職理由の違い

志望理由と転職理由は、似ているようで実は全く違うものです。
ここでは、志望理由と転職理由の違いについて詳しく解説してきます。
志望理由とは
志望理由とは、就活や転職活動において、数多くの企業の中からその企業を選択した理由を指します。
通常、転職活動では転職を決意した後に自分の条件に合った企業を探します。その際に多くの選択肢の中からその企業を選んだ理由やその企業でなければならない明確な理由を明確に伝える必要があります。
つまり、その企業であれば、自分が思い描いた仕事や目標ができると確信した理由が志望理由です。
転職理由とは
転職理由とは、現在の職種や職場を離れて、新しい場所へ転向を決めた理由です。
例えば、高い給与を望む場合や他の業界や職種にやりたいことが見つかった場合などが挙げられます。また、その他にも人間関係に問題を抱えている、環境を変えたいという場合も当てはまるでしょう。
いずれの場合も現在の職種や職場を離れて、居場所やポジションなど、仕事に対する望みを叶えたい動機です。現状よりも良い条件を求めて転職決意するため、転職理由にはネガティブな内容が含まれることもあります。
しかしながら、転職活動で転職理由を述べる際はポジティブに変換できる転職理由を考える必要がありますので、そこは理解しておきましょう。
志望理由と転職理由の違い
志望理由と転職理由は大きく異なります。
志望理由はその企業や業界を選択した理由のため、業界を取り巻く情勢や業界の中での志望企業の立ち位置などを分析・把握する必要があります。
一方で、転職理由は転職者の希望や条件を踏まえた上で新しい場所や企業へ転向する理由となるため、自己分析や自己理解を深めておく必要があるのです。
志望理由よりも転職理由の方が重要視される理由

転職活動においては志望理由よりも転職理由の方が重要視される傾向にあります。採用担当者が転職理由を聞く理由は、第一に応募者が企業の求める人物像と合致しているかを確認するためです。
採用担当者は応募者の転職理由を知り、入社後、自社で貢献してくれる人物像かを見極めたいと考えています。
転職理由が「人間関係がうまく行かなかった」や「疲れてしまった」などといったどの企業でも起こり得るようなネガティブな要素であれば、同様の理由で自社も辞めてしまうのではないかと警戒されてしまう可能性があります。
企業は自社に長い間勤めてもらい、業績に貢献できるかという観点で採用します。早期退職は企業にとっても大きな損失になるため、事前に見極めるために転職理由が重視されています。
転職活動で転職理由を上手く伝えるポイント
転職活動で転職理由を上手く伝えるポイントは、主観で話さないことです。例えば、残業が多かっただけではなく、具体的に何時間など客観的な情報で話すようにしましょう。
また、転職理由を考える際のポイントがいくつかありますので、ここでご紹介していきます。
転職理由でうそをつかない
転職理由ではうそをつかないようにしましょう。転職活動中は様々な場面で転職理由を聞かれます。明確な理由があって転職活動をしている場合は良いのですが、言いにくい理由で転職している場合は嘘をつきたくなるかもしれません。
しかし、転職理由については嘘をつくことをおすすめしません。書類選考や面接時についた嘘の内容について深く掘り下げられた場合にうまく答えられない、または薄っぺらい内容になってしまうことで怪しまれる可能性があります。
採用担当者は数多くの面接に携わっており、明らかに嘘をついている場合は簡単に見抜かれてしまいますのでうそはつかないようにしましょう。
言わないことを決める
言わないことを決めるのも重要なポイントです。ここでいう「言わないこと」というのは主にネガティブな内容のことです。
転職理由について嘘をつくことはおすすめしませんが、言いたくないことやネガティブな内容など、言わないことは予め決めておくことは大事です。例えば「パワハラやセクハラを受けていた」というような、個人的内容で言いたくないようなことやネガティブに映るかもしれない発言は避けた方が良いでしょう。
言いたくないこと以外のことで転職理由を考えて述べていくことが望ましいです。
話に一貫性を持たせる
面接時の話には必ず一貫性を持たせるようにしましょう。
実際によくある面接のフィードバックで「話の一貫性に欠ける」という理由で選考見送りとなることがあります。
よくあるケースとして、転職理由・志望動機・転職の軸(希望)これら3つが面接中に話しているうちに矛盾してしまうというものです。
評価が下がることを恐れ、自分を良くみせようとすると一貫性に欠けてしまう場合があります。「嘘をついているのではないか」「考えがすぐ変わる人なのでは」「ロジカルに考えられていないのでは」と逆に評価が下がってしまい、内定が遠のいてしまいます。話には一貫性があるように、面接前に自分の考えをきちんと整理しておきましょう。
ネガティブなことを言わない
面接時にはネガティブなことを言わないようにしましょう。
言わないことを決める、と少し近い部分もありますが、自分自身のことや現在 勤めている企業についてネガティブな発言をしてしまうと不満ばかり言う人だと印象を下げてしまう可能性があります。面接ではネガティブな表現は避けるようにしましょう。
前向きな姿勢と熱意を伝える
採用側としては前向きでやる気のある人材を採用したいと思っています。熱意を持って前向きに仕事に取り組めるという姿勢をアピールしましょう。
転職理由や志望動機など一連のストーリーを作りながら、それらを熱意や前向き姿勢を持って伝えることが重要になります。
転職理由の回答例
転職理由を考える場合、どう答えたら良いのか迷う場合も多くあります。
ここでは代表的な転職理由の回答例について紹介していきます。転職理由を考える際の参考にしてみてください。
例①:職場の人間関係が原因で転職を検討しているケース
「仕事をしない上司や部下が多くて嫌気がさした」「自分だけが仕事をして疲れた」という理由の場合、「チームワークを取りながら、全員で同じ目標に向かって一所懸命仕事をしたい」などと言い換えると良いでしょう。
職場の人間関係が悪いことが原因で転職活動をしている場合はありのままを面接時に伝えない方が良いでしょう。なぜなら、採用担当者が「また同じ理由でやめるのではないか」という懸念を抱いてしまうためです。
人間関係をリセットしたいという理由で転職をしても、転職後の人間関係も入社してみないとわからない部分が多く、同じことが繰り返される場合もあります。人間関係の悪化が原因と言っても具体的に何が嫌で合わなかったのかを分析し、言い換えるようにしましょう。
例②:残業が多く労働時間に不満があり、転職を検討しているケース
「残業が多かったから」という理由の場合、単に労働時間が長いから嫌というのではなく、「効率よく業務に取り組みたい」「ワークライフバランスを大事にしながら成果を出す働き方をしたい」などと言い換えると良いでしょう。
「なぜ残業が多く嫌だったのか?」という点についてもう少し踏み込んで分析し伝え方を工夫することが重要です。
転職理由を上手く伝えるポイント

転職理由を上手く伝えるポイントは他責にしないことです。
前職での愚痴や不満などネガティブな内容が少しでも垣間見られると企業側は良い印象を持ちません。
うそをつく必要はありませんが、過去の愚痴や不満を直接伝えるのではなく、不満を感じた理由を分析し、言い換える工夫をしてみると良いでしょう。
例えば、「仕事をしない人が多い環境に嫌気がさした」というのは、「仕事に責任感を持って取り組んでおり、社員一丸となって目標に向かえるような環境にいきたいと考えたから」と言えるでしょう。
愚痴や不満をこぼすのではなく、そこから学んだことや考えたことを軸にして前向きな気持ちと熱意を持って伝えてみましょう。
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まとめ
転職活動において重視される転職理由について解説しました。転職では新卒採用と異なり潜在力ではなく、即戦力が求められています。採用担当者は入社後、自社の業績に長い間貢献してくれる人材かどうかを見極めたいと考えています。
そのため、志望理由よりも転職理由の方が重要視されています。実際の転職理由は前向きな内容ばかりではないかもしれません。しかし、ネガティブな内容をありのままで伝えるのではなく、どう感じ・考えたのかを分析した上で伝え方を工夫してみましょう。
ポジティブな理由に置き換えて前向きな姿勢を見せることが転職理由を上手く伝える上で重要になります。
転職活動はじっくり自分自身と向き合い、言語化することが求められます。これまでのキャリアや転職動機を棚卸しすることから始めて転職活動を成功させましょう。