ポートフォリオ、自己研鑽資料の作り方

ポートフォリオ、自己研鑽資料の作り方

近年、エンジニアに対してもポートフォリオの作成・提出を求める企業が増えてきています。従来、ポートフォリオと聞くと、デザイナーやクリエイターが作成しているものという印象もありました。しかし、最近では未経験でもエンジニアを目指す人が増加していることもあり、企業側も実力を判断するためにポートフォリオの提出を求めるようになっているのです。今回はエンジニア転職を考えているけどポートフォリオの作り方がわからないという方に向けて作成方法やコツを徹底解説していきます。

この記事の目次

ポートフォリオとは

ポートフォリオとは

ポートフォリオとは簡単に言うと、これまでの実績や能力を証明するための資料です。転職活動において応募者がポートフォリオを用意することで企業に対して目に見える形で実力をアピールすることができます。エンジニアのスキルは数値化することが難しく、選考する側にとってもマッチする人材を見つけることは簡単ではありません。そのため、目に見える形で実績やスキルを証明することができれば、ミスマッチの確率を減らすこともできます。他の応募者との差別化を図るためのツールとしてのポートフォリオ効果は強く、アピールするためにも有効です。

経験者と未経験者のポートフォリオの違い

経験者と未経験者のポートフォリオの違い

基本的にはどんな職業であってもポートフォリオは過去の実績や能力を証明するための資料ですが、エンジニアの場合は経験者と未経験者でポートフォリオの持つ意味が異なります。

  • 経験者の場合

経験者の場合は過去にエンジニアとして実務を経験したことがあるはずですので、「今までどんなプロジェクトに参加したか」「今までに作成したアプリやサービスは」という視点で見られています。特に、作成したアプリやサービスはユーザー使用度も含めて実績が確認されるでしょう。

  • 未経験者の場合

未経験者の場合、当然ながら実務の経験はありません。よって、ポートフォリオから基本的なスキルやポテンシャルの高さを見られていると思ってください。細かいデザインにこだわるよりも、誰が見てもわかりやすいコードで書かれている方が評価は高いと言えるでしょう。

エンジニアがポートフォリオを作成するメリット

エンジニアがポートフォリオを作成するメリット

エンジニアがポートフォリオを作成することのメリットについてお伝えします。まず結論から言うと大きく分けて以下の通りです。

  • 企業に対してのPR材料となる
  • 書類選考で通過しやすい
  • 技術力が担保でき、入社後のミスマッチを低減させる

履歴書や職務経歴書では企業側も応募者のレベルを十分に理解できないことが多々あります。選考に勝ち抜くためにはポートフォリオを用意し、自らのスキルや実績を企業にきちんとアピールすることが大切です。また、企業側もポートフォリオを見ることでポテンシャルやスキルレベルを確認することができ、ミスマッチを防ぐこともできます。

企業に対してPR材料になる

企業はエンジニア採用の面接において、「募集しているポストに合う人材か」を見極めたいと思っています。しかし、エンジニアのスキルや実力を数値化することが難しいのです。 そのため、採用側も応募側も適切にアピール・評価ができず、ミスマッチになってしまうことも往々にしてあります。そこで、エンジニアとしてのスキルや実績をアピールするためにはポートフォリオが最も適切な資料となります。経験者・未経験者問わず、ポートフォリオの質が高ければ企業からも人材価値を感じてもらいやすくなるのです。

書類選考が通過しやすい

未経験のエンジニアも増えてきた昨今、企業の採用担当者は常に大量の応募書類を目にしています。その中から採用したい人材を見つけるのは、簡単なことではなく時間が必要です。そのような状況で採用担当者に目をつけてもらうためには職務経歴書や履歴書以外にアピールすることが大切です。特に、実務経験がない未経験者の場合は、経歴もないため書類選考を通過するのは難しいでしょう。しかし、魅力的なポートフォリオがあれば採用してもらえる可能性は高まります。

技術力を担保でき、入社後のミスマッチを低減

技術力を担保するものがなければ、企業側は応募者を適切に評価することができません。エンジニアのポートフォリオは作品の構成のみならず、コードの質や表示速度なども判断材料になります。企業側はポートフォリオを通して習得言語やスキルの中身まで見ることができ、一定の技術力を担保することができるのです。これは一種の採用の足切り機能にもなります。ポートフォリオを提出することは入社後に双方が「こんなつもりはなかった」ということを防ぐ効果もあるでしょう。

ポートフォリオの作り方

ポートフォリオの作り方

では、実際にポートフォリオはどのように作成していくべきでしょうか。未経験キャリアチェンジの場合は全く初めてでわからないかもしれません。この章では初めてポートフォリオを作成する方を想定して良いポートフォリオの作成方法についてご説明します。

一般的なポートフォリオ作成の流れは以下の通りです。

  • アプリやプログラムの作成
  • ソースコードを公開
  • アプリの概要や中身、選定理由などをまとめる
  • スキルシートを作成し、公開する

しっかり事前準備を行い、採用担当者の目に止まるようなポートフォリオを作成していきましょう。

アプリやプログラムの作成

まずはスキルを証明することができるアプリやプログラムを作成しましょう。一定程度、プログラミング言語を学んだ人であれば難易度が高いものではないはず。簡単なアプリやプログラムで構いません。複雑にする必要はなく、きちんと動作確認ができれば問題ないでしょう。入念にテストを行い、エラーや不具合が出ないようにしておいてください。また、作成において以下のポイントは意識するようにしておきましょう。

● 入社後に使いたい言語や得意言語を使う
● 作成・読出し・更新・削除が行えること
● 自分が使いたい機能を作る
● 複雑な機能を持たせない

ソースコードを公開

アプリやシステムを作成することで企業側には一定のスキルを評価してもらうことは可能です。しかし、プログラミング言語によっては違う書き方をしていても同じアウトプットに見えるようなものが存在します。そのためソースコードを公開し、どのようなコードを書いたのかを見てもらい評価をしてもらう必要があるのです。ソースコードを公開するサービスはGitHubをはじめとして、無料で利用できるものがあります。プロフィール登録をすればすぐに使えるため、ぜひ活用してみてください。

アプリの概要や中身についてまとめる

ポートフォリオを書き始める前に作成したアプリの概要や注力したところなどをまとめておきましょう。企業の採用担当者は多くの応募者の書類やポートフォリオを目にすることになります。そのため、せっかく作ったアプリやシステムがどんなに面白いものでも時間を取ってチェックしてもらうことは難しいのです。短時間でアピールするためにも、アプリの概要や制作理由、苦労した点などをまとめてアピールできるように書き出しておきましょう。

スキルシートを作成し公開

ポートフォリオ作成の際にはスキルシートを作成するとより効果的です。スキルシートはこれまで学んだプログラミング言語や、過去に実務実績がある言語を記載し、それぞれのレベルを自己評価したものや実績年数を示すものになります。

シンプルに要領よく示すことが大切です。また、ポートフォリオで作ったアプリやシステム開発での技術は漏れなくスキルシートに記載しておきましょう。シンプルかつわかりやすく、自己アピールをすることが重要です。

ポートフォリオ作成におけるポイント

ポートフォリオ作成におけるポイント

ポートフォリオを作成するにあたって気をつけておくべきポイントがあります。いざ作成するとなってもどのような点に気をつけるべきかわからない方もいるのではないでしょうか。結論としては、ポートフォリオを作成する際は見やすさ・使いやすさやユーザー目線を考慮できているかどうかが重要です。また、気合を入れすぎてポートフォリオ作成に時間をかけすぎてしまうのも本末転倒になるので気をつけたいところです。

見やすく、シンプルに作る

応募者が多いため、採用担当者も全てのポートフォリオを細部に渡ってチェックするのは現実的ではありません。少しでも目に留めてもらえるように、見やすく・シンプルな構成にするように心がけましょう。

具体的には以下の点に気をつけてください。

  • レイアウトが整然としており、見やすい。
  • デザインに統一性があり、視覚的に見づらいところがない。
  • 必要な情報に素早くアクセスできる導線設計ができている。

またたくさんの情報を詰め込んでも読み手としては見にくいため、アピールしたい点だけに絞る方が良いでしょう。ポートフォリオが見にくければ実際の業務に入っても同じようにコードを書くのかと思われる可能性もあります。見やすさ・わかりやすさは非常に重要です。

ユーザー目線で作る

ポートフォリオを作成していると、デザインに凝ったり、色彩にこだわったりしてしまいがちです。しかし、見た目をこだわったせいで使い勝手の悪い仕様であれば良い評価はもらえません。アプリやシステムは最終的に利用してくれるユーザーの存在があります。ユーザーのためになる機能になっているか、使い勝手は良いか、など常にユーザー側の目線に立って作ることが求められます。入社してからもこの視点で評価をされるので意識しておくと良いでしょう。

ポートフォリオに時間をかけすぎない

特に未経験でITエンジニアを目指す場合は、良い作品を作ってアピールしたいという気持ちからポートフォリオに時間をかけてしまいがちです。しかし、未経験に対してはどの企業も早々に即戦力になることは求めていません。基本的なスキルが身についていることやポテンシャルを示すことができれば十分なのです。ポートフォリオに時間を費やしてしまい、面接対策や転職活動がおざなりになってしまわないように、時間のバランスを取るようにして作成するようにしてください。

ポートフォリオ作成における注意点

ポートフォリオ作成における注意点

ポートフォリオを作成するにあたって注意しておきたい点についても触れておきます。まず、どこにでもあるような、ありきたりな構成は避けましょう。たくさんのポートフォリオを日頃から見ている採用担当者は知見と経験があるため、ありきたりな構成には目を止めてもらえません。特にWEB上にあるサンプルを加工するだけのような手抜き作業はすぐに見抜かれてしまいますので注意が必要です。次に作品の意図が明確に伝わるように作成してください。企業は「なぜその作品を作ったか」という点に応募者の価値観や能力を見出します。形は綺麗でも、作成意図がわからないようなポートフォリオはエンジニアとして高い評価は得られません。また、ポートフォリオは常にアップデートしておくようにしましょう。Githubなどはソースコードの公開日が確認できるのであまりに更新がないと技術習得に意欲的でないとマイナスの評価をされてしまうこともあります。

まとめ

今回はエンジニアのポートフォリオの作成について解説しました。エンジニア不足を背景に未経験でも募集している企業が増えています。一方、募集人数が多くなると企業側も採用活動にコストがかかってしまうというのが現状です。少しでも企業側の負担を減らすこと、そして入社後の応募者と採用側のミスマッチを防ぐためにも、ポートフォリオの作成・提出は必要不可欠になってきています。全くの未経験者であっても、企業側が知りたいポイントさえ抑えておけば難しいことではありません。今回ご紹介したコツを抑えて、しっかり事前準備に臨んでくださいね。

ポートフォリオ、自己研鑽資料の作り方

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