システム監査とは?項目や流れ、向いている人などについて解説

システム監査とは?項目や流れ、向いている人などについて解説

システム監査とは、システムの信頼性や効率性などを評価する仕事です。監査と聞くと、めんどうな印象や地味な印象を持つ方もいるかもしれません。

しかしシステム監査は、システムをただ評価するだけでなく、リスクを軽減したり企業の経営に活かせるように改善したりすることを目的に行うため、企業にとって非常に重要な意味を持ちます。

本記事では、そんなシステム監査の概要や具体的な仕事内容、間違えられやすいIT監査との違い、必要なスキルと向いている人の特徴などを解説します。

システム監査に興味がある方や、エンジニアからのキャリアアップ先を探している方は、ぜひ参考にしてください。

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この記事の目次

システム監査とは

システム監査とは

システム監査とは、第三者の立場からシステム環境を評価する仕事です。主な指標として、信頼性、安全性、効率性などの観点で評価を行います。組織のITシステムがビジネス要件を満たしているか、セキュリティ対策が適切であるか、システムが効率的に動作しているかなどを検証します。

監査の主な目的は、経営上のリスクを探し出し、それを最小限に抑えるための提案や改善策を示すことです。この監査により、組織はシステムの問題点やリスクを早期に察知し、適切な対策を実施できるようになります。またリスクの軽減だけでなく、システムの機能や運用上の問題点を見つけ出し、企業のビジネスにより貢献できるように改善するのも、システム監査の目的の1つです。

システム監査は必要?

システム監査は必要?

システム監査には法律的な義務があるわけではありません。それでも多くの企業がシステム監査に取り組むのは、企業にとって多くのメリットがあるからです。

一番のメリットは、経営上のリスクを予防できることです。不適切なシステム設定や運用が存在すると、情報の流出や大規模な障害の原因となり得ます。システム監査を行うことで、これらのリスクを事前に特定し、適切な対策を実施できます。

また、システム監査を通じてシステムの中でムダの多い部分や非効率な運用を発見できるため、業務の効率化やコスト削減につながる可能性もあります。組織の成長や変化に伴って、システムや運用が時代遅れになることも少なくありません。システム監査によって、このような非効率を見直し、常に最適な状態を保つことは、企業の競争力を維持するために重要な取組みです。

システム監査の範囲

システム監査の範囲

システム監査は法律で実施を義務付けられたものではないため、対象の範囲は自由に決められます。そのため、監査の目的や対象となるシステムの性質に応じて、範囲を柔軟に定めるのが一般的です。

よくあるパターンが、システムのライフサイクルに沿って監査を行うケースです。システム開発フェーズでの要件定義や設計の適切性、運用フェーズでの管理体制や運用手順の確認など、それぞれのフェーズに特有のチェックポイントを設けることで、効果的な監査が可能になります。

また、特定のテーマを中心に監査することも可能です。個人情報の取り扱いやセキュリティ対策の強度など、特定のリスクや法規制に焦点を当てた監査は、監査を実施するコストをおさえながら経営上の重大なリスクを最小化できます。

システム監査の流れ

システム監査の流れ

ここではシステム監査の具体的な流れを、以下の7ステップで解説します。

  • 範囲とテーマを決める
  • 予備調査
  • 本調査
  • 監査報告書の作成
  • 意見交換会
  • 監査報告会
  • フォローアップ

範囲とテーマを決める

システム監査の最初のステップは、監査の範囲とテーマを明確に定義することです。目的やシステムの特性、関心のあるリスク領域などにもとづいて範囲とテーマを設定します。

よくあるテーマの1つに、管理ルールやシステムの運用状況があります。また、個人情報の保護などのセキュリティ関連も、問題が発生した場合のリスクが大きいため、対象にあがることが多いテーマです。

他にも、システムの可用性を確保することは、ビジネスの継続性を保って損失を防ぐために重要であるため、これに関する監査も頻繁に行われます。

外部のベンダーやパートナーと連携して業務を行っている場合は、外部委託に関する監査も実施されます。

予備調査

範囲とテーマを決めたら、監査に向けての準備を行います。

まず必要となるのが、監査の対象となる項目や具体的な調査ポイントを明確にするためのチェックリストです。監査の範囲とテーマやシステムの特性などに合わせて作成します。

また、関連部署への監査に必要な資料の提出依頼も行います。資料の種類や内容、関連部署の業務状況によっては、資料を集めるのに時間がかかることがあるため、1から2ヶ月ほど前から収集を始めるのがポイントです。

実際の監査作業がスムーズに進行し、より正確な結果を得るには、予備調査の段階でしっかりと準備することが重要です。

本調査

予備調査に続いて本調査です。本調査では、準備したチェックリストや収集された書類の内容をもとに、具体的な問題点やリスクを特定していきます。

また関係者へのヒアリングと現場の視察によって、システムの運用状況や現場での課題、ユーザーの声などを直接収集します。これは、資料だけでは分からない問題点を見つけたり、資料の内容が実態と合っているかを確認したりするのに効果的です。

他には、システムの機能が適切に動作しているか、予期しないエラーやバグが存在しないかなど、実際のシステムの挙動を細かくチェックします。

監査報告書の作成

本調査が終わったら、監査の結果をクライアントへ説明するための報告書を作成します。報告書に記載するのは、問題点や評価、改善案などです。

まず問題が見つかった箇所について、その問題によってどのようなリスクや影響があるのかを記載します。そのうえで、問題点の改善策も具体的に提案し、システムの品質向上やリスク回避を手助けします。

具体的な問題点や改善策と合わせて必要なのが、全体の評価です。問題の発生状況を分析し、テーマや業務部門などのカテゴリごとの評価と、全体に対する総合評価を記載します。これにより、システムの信頼性や効率性を一目で把握できるようになります。

意見交換会

監査報告書の作成後、その内容を詳しくクライアントと共有し議論するための意見交換会が行われます。この会には、監査範囲やテーマごとの責任者に出席してもらい、監査の結果や提案内容について説明します。

主な目的は、報告内容に対してクライアントとの間で認識のずれや不明点がないかを確認することです。また、責任者と直接会話することで、より具体的な状況や背景を理解できます。

意見交換会で、監査の結果や提案に対するクライアントの意見を聞き出すことで、より適切なサポートや改善策の提案へと繋げます。

監査報告会

意見交換会で聞き出した意見や認識のずれを監査報告書に反映したら、次のステップは経営陣や役員への報告です。監査報告会では、システムの現状、問題点、改善の提案など、報告書の内容を詳しく説明します。

この報告会は、経営層が監査の結果を理解し、必要な改善策を採用するかどうかを決めるうえで非常に重要です。そのため、簡潔で分かりやすい説明が求められます。

フォローアップ

システム監査は、結果を報告して終わりではありません。最後に行うフォローアップは、監査報告書にもとづく改善活動の実施状況を確認するステップです。提案した改善策が適切に実行されているか、その結果としてシステムの品質やセキュリティが向上しているかを検証します。

実施された改善措置に課題や不足が見られた場合、追加のアドバイスや具体的な対策を提案します。このプロセスは、監査の目的であるシステムの最適化とリスクの低減のために重要です。

せっかく監査で問題点が分かっても、適切に改善策が実行されなければ意味がありません。そのためフォローアップは、監査の成果を最大化するために必要な工程といえます。

システム監査とIT監査の違い

システム監査とIT監査の違い

システム監査とIT監査は、どちらもITシステムに対する監査のため、よく混同されます。しかし実は、両者は全く異なる監査です。

ここでは特に大きな、以下の3つの違いについて解説します。

  • 目的
  • 時期や範囲
  • 監査人

目的

システム監査とIT監査は、目的が大きく異なります。

IT監査は、主に企業の財務報告の正当性を確認することが目的です。システムの動作によって財務報告の数字に誤りが発生しないか、不正を防ぐ対策がとられているかなどを評価し、財務報告に誤りや不正が起きるリスクを低減します。

一方のシステム監査は、情報システムの信頼性、安全性、効率性の評価が主な目的です。システムの運用や機能を対象に問題点や改善策を洗い出し、ビジネス目標の達成をサポートします。

時期や範囲

IT監査は法定監査の一部として実施されるもので、企業が財務報告に関する法的な義務を守っているかを確認する目的で行われます。そのため、時期や範囲は特定の規定や基準に則って実施されるのが一般的です。

一方のシステム監査は法的な義務がないため、実施時期や範囲は組織のニーズや目的に合わせて自由に決められます。システムの信頼性や効率を高めるために行うものなので、システムの変更時や特定のプロジェクトに対して行うなど、任意のタイミングで実施されます。

監査人

IT監査は、企業のITシステムが財務報告の正確性と信頼性に関連する法的な要件を満たしているかを評価するため、独立した第三者による実施が求められます。そのため、公認会計士や監査法人といった専門知識を持つ専門家が行うのが一般的です。

対照的にシステム監査は、システムの性能や信頼性を評価する目的で行われ、特定の資格を持つ必要がありません。組織のITスタッフや外部のコンサルタント、専門家など、様々な立場の人が監査人として関与できます。

システム監査に必要なスキル・資格とは

システム監査に必要なスキル・資格とは

システム監査は、他人が作ったシステムを客観的に評価するために、様々なスキルが求められます。

ここでは、その中でも特に重要な4つのスキルを紹介します。あわせておすすめの資格も紹介するのでぜひ参考にしてください。

  • システム開発の経験
  • 経営の知識
  • コミュニケーションスキル
  • 英語力
  • 資格

システム開発の経験

システム監査を適切に行うには、システム開発の実務経験が非常に重要です。要件定義から設計、実装、テスト、運用・保守というシステム開発全体の流れを理解し、各段階でのリスクや課題を抽出する必要があるため、上流から下流までの全工程を熟知していることが求められます。

システム開発の中でも、金融やインフラなどの大規模かつトラブルが起きた際の社会的影響が大きいシステムの開発経験は、監査人として高く評価される傾向にあります。このようなシステムには高い品質やセキュリティ、障害への耐性が必要です。そのため、システム開発を行う中で、システム監査に必要なスキルが身につくと考えられます。

経営の知識

システム監査の業務では、技術的な側面だけでなく、経営の観点も重要です。システムが経営に役立っているか、目的に沿って運用されているかをチェックするために、経営戦略や経営リソースの最適化に関する知識が必要となります。

加えて、システムが会計上のルールや法的な要件に準拠しているかを確認するために、会計や法律の知識も求められます。例えば、会計処理の流れや法改正に関する要件に対して、システムが適切に実装されて運用されているかを評価する際に、このような知識が不可欠です。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルも、システム監査に必要なスキルの1つです。

システム監査では、現場の実態を把握するためのヒアリングを行います。その際に正確な情報を集めるには、監査対象者との円滑なコミュニケーションが必要です。

また監査結果として、評価や発見した問題点、改善策などを分かりやすく伝える能力も求められます。これには、システムの専門的な内容を一般的な言葉に置き換えて説明するスキルが重要です。また言葉のコミュニケーションだけでなく、監査報告書を簡潔かつ分かりやすく書き上げるという、テキストでのコミュニケーションスキルも求められます。

英語力

システム監査の場面において、英語力は必須ではありませんが、グローバル化の進展に伴い、英語でのコミュニケーション能力への需要が高まっています。

海外に拠点を展開している大手メーカーや国際的なプロジェクト、多国籍のチームなどを監査する際、英語を用いたコミュニケーションが必要となるケースが増えています。英語力を磨いておくと、より多くの現場で求められる人材になり、求人を探す際にも有利に働くでしょう。

資格

システム監査を行うために資格は必須ではありません。ただし資格を持っておけば、プロフェッショナルとしての信頼性や能力を示す目安となります。

基本情報技術者や応用情報技術者を取得すれば、情報技術の基礎知識や応用能力を証明できるでしょう。

また監査人としての知識やスキルを証明する資格もあります。CISA(公認情報システム監査人)は、システム監査の資格として最も歴史があり、国際的に認知されている資格です。他にも経済産業省が運営しているシステム監査技術者という資格もあります。これらの資格は、システム監査の専門性や能力を客観的に示すためのもので、取得できれば採用や昇給に対して有利に働くでしょう。

システム監査に向いている人とは?

システム監査に向いている人とは?

システム監査には様々な知識や経験が必要なため、向いている人が持つ要素も多岐にわたります。

その中でも特に重要な以下の3つを解説するので、自分が該当するかチェックしてみてください。

  • 責任感の強い人
  • 学習意欲が高い人
  • 分析力がある人

責任感の強い人

監査結果に誤りや抜けがあると、それが原因で企業に重大な損失を与える可能性もあります。そのためシステム監査には、強い責任感が求められます。

トラブルを防ぐには、ミスを許さない姿勢で一つひとつの調査を真剣に行う必要があります。また、複雑なシステムや膨大なデータを丁寧に検査するには、根気強さも欠かせません。信頼性の高い監査を行うには、監査員自身の責任感が不可欠です。

このように、クライアントの利益を最優先し、根気強く丁寧に仕事をできる人が、システム監査に向いています。

学習意欲が高い人

ITの領域は日々急速に進化しています。そのため監査人には、常に最新の技術情報をキャッチアップし、知識をアップデートする姿勢が必要です。

さらに、クライアントの業界特有の業務知識を要求されることもあるため、柔軟な学習能力が求められます。またITの知識だけでなく、経営の知識や監査技術などの幅広い学習が必要となります。

このような多岐にわたる知識を継続的に取得するには、高い学習意欲が不可欠です。そのため、新しい情報や知識に興味を持ち、学び続ける意欲がある人が、システム監査に向いているといえます。

分析力がある人

システム監査では、表面的な情報だけでなく、その背後に隠れている潜在的な問題を見抜く力が求められます。問題なく見える場面でも、集められたデータや情報を深掘りし、多角的に評価することで、隠れたリスクや問題点を発見しなければなりません。

また問題発見だけでなく、その根本的な原因を特定し、実効性のある改善策を考える能力も必要です。

このように複雑な情報を整理して問題を見つけだす分析力や、解決策を導き出す論理的思考力を持つ人は、システム監査で高い成果を出せる可能性が高いでしょう。

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まとめ

システム監査まとめ

この記事では、システム監査の概要や具体的な業務の流れ、必要なスキルや向いている人の特徴などを解説しました。

システム監査は、企業のITシステムの信頼性や効率性を評価し、改善することを目的に行います。監査を行うことで、システムの機能や運用が改善し、クライアントのビジネス目標達成に貢献できるため、システム監査は非常にやりがいのある仕事です。

システム開発全般の経験や経営の知識など、求められる知識やスキルは多いですが、その分高収入も期待できます。

本記事を読んでシステム監査に適性を感じた方は、ぜひ監査人を目指してみてください。

システム監査とは?項目や流れ、向いている人などについて解説

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