「データサイエンティストはやめとけ」
という意見を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
本記事では、「データサイエンティストはやめとけ」と言われる理由について解説します。近年需要が高まっている職業なだけに、気になっている方もいるかと思いますが、「やめとけ」と言われていると不安に感じる方も多いはずです。
「やめとけ」と言われてはいるものの、人によってはデータサイエンティストとして活躍できるチャンスは十分にあります。
「やめとけ」と言われる理由やメリット、向いている人の特徴まで解説するので、データサイエンティストに関心のある方はぜひ参考にしてみてください。
データサイエンティストはやめとけと言われるのはなぜ?

データサイエンティストは注目が集まっている職種ですが、「やめとけ」という声があることも確かです。ここでは、「データサイエンティストはやめとけ」と言われる理由を8つ紹介します。
- 高レベルなスキルが求められる
- 責任が重い
- 一人当たりの業務量が多い
- 地味な作業が多く向き不向きがある
- ビジネス思考が必要
- 文系からの転職・就職は難しい
- 継続的なスキルアップが必要
- デスクワーク中心で忍耐力が必要
高レベルなスキルが求められる
データサイエンティストには高度なスキルが求められるため、「やめとけ」という意見があります。基本的に、データサイエンティストとして働くには以下のような知識・スキルが必要です。
- 数学
- 統計学
- 情報工学
- プログラミングスキル
- データ分析スキル
- AI分野の知識
専門性の高い知識やスキルが幅広く必要で、習得は容易ではありません。転職・就職までに高度なスキルをある程度は習得する必要があるため、ハードルが高いと考えられているようです。
責任が重い
データサイエンティストの責任の重さを負担に感じる方も多いようです。データサイエンティストは、データ分析を通じて企業の経営課題を解決したり、マーケティング戦略の策定をサポートしたりといった業務を担当します。企業の上流工程に関わる仕事を担当するため、ミスをしてしまうとクライアントに間違った戦略を提供してしまうかもしれません。
注目が集まっている仕事なだけに、業務範囲や責任範囲が明確になっていない場合もあります。仕事の責任やプレッシャーを負担に感じてしまい、「やめとけ」と考えている方も多いようです。
一人当たりの業務量が多い
データサイエンティストは、一人当たりの業務量が多い傾向にあります。まだ登場してから歴史の浅い職業ということもあり、需要があるものの人手が不足しがちです。業務範囲が不明瞭な面もあり、一人当たりの業務量が多くなってしまうため、「やめとけ」と考える方も少なくありません。
データサイエンティストは、主に以下のような仕事を担当します。
- データ分析
- 提案
- 新規データ収集
- 経営課題の洗い出し
- クライアントとのコミュニケーション
担当する業務範囲が広く量も多さを負担に感じる方は少なくありません。
地味な作業が多く向き不向きがある
データサイエンティストの業務範囲は広いものの、基本的にはデスクワークでの地味な作業が中心です。毎日パソコン上の数字やデータと向き合って働かなければならず、人によって向き不向きがあることも否定できません。特にデスクワークに苦手意識がある場合は、データサイエンティストとして活躍するのは難しい可能性もあります。
データサイエンティストは、1つのミスがクライアントのビジネスに大きな影響を与えかねない仕事です。慎重さや細かさ、忍耐強さが求められる仕事でもあります。
ビジネス思考が必要
ビジネスに関する知識や考え方が求められるのも、データサイエンティストの大変さにつながっています。データサイエンティストの主な仕事は、データ分析によってクライアントのビジネス上の課題解決をサポートすることです。そのため、プログラミングや数学といった高度な理系・IT知識だけでなく、経営の知識やクライアントのビジネスモデルへの理解が求められます。
文系からの転職・就職は難しい
データサイエンティストは、特に文系からの転職・就職の難易度が高い仕事です。高度な数学的知識やITの知識が求められるため、習得の難易度が高く、文系の場合は特に勉強が負担になるでしょう。理系とは違い、文系の場合は数学や統計学に関する基礎的な知識を初歩から学ばなければなりません。
継続的なスキルアップが必要
働きながらも継続的なスキルアップが求められるのが、データサイエンティストの仕事が大変な理由の1つです。転職・就職のために高度なスキルが要求されるデータサイエンティストですが、最初にスキルを習得してしまえば良いというわけではありません。
データサイエンスはもちろん、IT業界は技術の進歩が速く、トレンドの移り変わりも激しいため、最新の技術や研究成果をふまえて業務をこなしていく必要があります。日々のスキルアップや情報収集ができなければ、分野の最先端で活躍していくことはできないでしょう。
将来性に不安がある
データサイエンティストの将来性を不安視する方もいます。データサイエンティストは歴史が浅く、近年急激に需要が伸びている職種ではありますが、技術の進歩によって自動化される可能性も否定できません。実際に、データ分析・解析を自動化できるBIツールも提供が始まっています。
たしかに、一部の作業が自動化される可能性はありますが、データサイエンティストの業務すべてがAIに置き換わる可能性は低いでしょう。経営課題の発見や提案など、自動化しにくい業務もあり、データ分析に関するスキルや考え方は幅広い分野で役立てられます。
データサイエンティストのメリット

データサイエンティストとして働くメリットは、主に4つあります。
- 需要が高い
- 働ける業界の幅が広い
- 上流工程の仕事を担当できる
- 高年収が期待できる
需要が高い
特に近年、データサイエンティストの需要は高まっています。企業が大量のデータを保有し、データの有効活用がビジネスの基本になりつつある中で、多くの企業がデータサイエンティストを必要としています。
需要が高いにもかかわらず人手が不足しているため、高度なスキルさえ身につけられれば、転職先に困ることはないでしょう。転職をスムーズに進められるのはもちろん、将来的な独立まで期待できるのが、データサイエンティストとして働く大きなメリットの1つです。
働ける業界の幅が広い
働ける業界の幅が広く、自分が関心のある業界や経験のある業界で働けるチャンスがあるのも、データサイエンティストとして働くメリットです。製造業や広告代理店、金融業、不動産業、医療など、データサイエンティストが活躍できる業界は拡大しつつあります。扱う技術の専門性は高いものの、活躍できる業界の幅は広いため、自分にマッチした環境を見つけやすいのが、データサイエンティストとして働くメリットの1つです。
上流工程の仕事を担当できる
データサイエンティストは、上流工程の仕事を担当できる仕事です。企業の経営戦略やマーケティング戦略の策定など、本来は経営陣が携わる上流工程の仕事に参画できます。
上流工程の仕事を担当するため責任が重く、プレッシャーがかかることも多いですが成果を評価されやすく、やりがいを感じられる仕事でもあります。
高年収が期待できる
データサイエンティストは、高年収が期待できる職種です。たとえば、厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」では、データサイエンティストの平均年収は「557.5万円」です。他の職業も含めた全国平均年収「443万円」を大きく上回っており、高年収が期待できるでしょう。
参考:データサイエンティスト|職業情報提供サイトjobtag
参考:令和3年分民間給与実態統計調査 -調査結果報告-|国税庁
データサイエンティストの将来性

データサイエンティストの将来性は高いと考えられています。たしかに、AI技術の進歩が目覚ましい現代では、データサイエンティストの業務が自動化されてしまうのではないかと心配する人もいます。しかしデータサイエンティストの仕事にはコンサルティングなども含まれるため、すべてが自動化される未来は遠いと考えて良いでしょう。
データサイエンティストの仕事について、詳しくは以下の記事もご覧ください。
参考:データサイエンティストとは?役割や仕事内容、必要なスキル・役立つ資格などを解説!
参考:データサイエンティストの平均年収はいくら?年収を上げる方法も紹介
データサイエンティストに向いている人の特徴

データサイエンティストに向いている人の特徴は、以下の4つです。
- 数字やデータに苦手意識がない
- ITスキルがある
- ビジネススキルが高い
- 地道な作業が得意
数字やデータに苦手意識がない
数字やデータに苦手意識がない人の方が、データサイエンティストに向いているでしょう。データサイエンティストは、多くの数字やデータと向き合いながら仕事を進めています。膨大な数字を前にしてもひるまずに取り組める人であれば、データサイエンティストとしてのスキル習得や業務にも積極的にチャレンジできるでしょう。
ITスキルがある
プログラミングなど、エンジニアに必要なITスキルを習得している人の方が、データサイエンティストに向いています。データサイエンティストの仕事には、大量のデータを処理するためのITスキルが欠かせません。データサイエンスには、PythonやR言語といったデータ処理や統計分析に強いプログラミング言語が多く使われる他、データベースやBIツールなど、豊富なスキルを身につけておく必要があります。
ビジネススキルが高い
ビジネススキルが高い人も、データサイエンティストに向いています。データサイエンティストは、企業のビジネスに関する課題の解決をサポートする仕事なので、業務を円滑に進めるためには以下のようなキルが必要です。
- ヒアリング力
- プレゼンテーション能力
- コミュニケーション能力
- マネジメントスキル
- 交渉力
ビジネススキルも優れている人の方が、データサイエンティストとして活躍できるチャンスは広がるでしょう。
地道な作業が得意
地道な作業が得意な人も、データサイエンティストに向いています。データサイエンティストの仕事には、クライアントワークもありますが、基本的にはデスクワーク中心でデータや数字と向き合うことになります。ミスを避けるためにも、地道に細かい作業を進めることを苦に感じない方の方が、データサイエンティストの業務に適性があるでしょう。
データサイエンティストに未経験からなる方法

データサイエンティストに未経験からなるのは簡単ではありません。統計学や数学、プログラミングなどの幅広いスキルが必要で、ハードルが高いからです。
データサイエンティストに未経験からなるには、まずはITエンジニアやデータエンジニアといった関連性の高い職種で経験を積みましょう。エンジニアとしての経験を積みながら、データサイエンティストに必要なスキルの習得を目指すのがおすすめです。
詳しくは、以下の記事もご覧ください。
参考:データサイエンティストとは?役割や仕事内容、必要なスキル・役立つ資格などを解説!
データサイエンティストにおすすめな資格

データサイエンティストにおすすめの代表的な資格は、以下の通りです。
- データサイエンティスト検定
- IPA各種情報技術者試験
- OSS-DB技術者認定試験
- G検定・E資格
- 統計検定
- Python3 エンジニア認定データ分析試験
データサイエンティストにおすすめの資格について、詳しくは以下の記事もご覧ください。
参考:データサイエンティストにおすすめの役立つ資格13選!メリットや勉強方法も紹介!
データサイエンティストの求人なら社内SE転職ナビ

データサイエンティストの求人をお探しの方は、ぜひ社内SE転職ナビをご利用ください。社内SE転職ナビ内の、「データサイエンティスト」に関する求人をチェックしてみてください。
社内SE転職ナビは、社内SEの求人に特化した求人サイトです。豊富な案件数と、コンサルタントによる手厚いサポートがポイントです。データサイエンティストとしての経験が浅い人やキャリアチェンジにチャレンジしたい方でも、一人ひとりに合った求人を提案してもらえるため、効率的に転職活動を進められます。
まとめ

「データサイエンティストはやめとけ」という意見も一部であります。求められるスキルの専門性が高く、人手不足で作業量が多いといった点が不安視されており、データサイエンティストに向いていない人もいるでしょう。
しかし、ITスキルがある方や数学・統計学に強い方など、データサイエンティストの素養がある方も少なくはないでしょう。未経験から目指す場合、まずは関連性の高い職種で経験を積みながらスキルの習得を目指すのがおすすめです。データサイエンティストへの転職を目指す際は、ぜひ社内SE転職ナビの利用を検討してみてください。